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技術解説

脳波の基本と単極誘導法による測定

2015年3月30日

脳波(Electroencephalogram:EEG)

大脳皮質の神経細胞が活動する際に生じる電解は頭皮表面にも現れ、非常に微弱(~100μV程度)な電位の変化として捉えることができます。電位の時系列パターンは脳波と呼ばれ、医療分野・心理学分野・工学分野を中心に広く利用されています。

測定チャンネル数が多いほど解像度が高い

脳波は皮膚表面の2点間に現れる電位の変化です。基本的に2点間の距離を小さくすることで、より局所的な大脳皮質の変化をモニタリングできます。

脳波はひとつひとつの神経細胞の活動をモニタリングするものではありません。大量の神経細胞が局所的に偏った活動を見せるため、測定する部位によって異なるパターンとして得られるものが脳波です。

2点間から得られる1チャンネル分の脳波は、周辺の脳波がすべて畳み込まれた波形として得られます。より詳細な位置の推定には、頭部モデルを用いて複数チャンネルの信号から逆推定する必要があります。

1チャンネルだけでも分かる脳波パターン

前述のとおり、脳の局所的な活動をモニタリングするには多チャンネルでの計測が必要ですが、1チャンネル(2ヶ所の電極)から得られる脳波パターンからでも、人の活動と相関のある情報を得ることができます。

1チャンネル分の脳波を得るには、耳の部分にアースの電極を取付け、脳の任意の部分に他方の電極を取り付けます。また、ノイズキャンセル用の電極を任意の場所に取り付けます。これは単極誘導と呼ばれます。

単極誘導にて得られる脳波をパワースペクトルで分析すると、特定の周波数成分と人の活動に特徴が認められます。これは基礎律動と呼ばれ、脳において全体的に常に確認されます。特によく用いられる成分には次の通り名前が付けられています。

名称周波数帯域
δ波(デルタ波)1~3Hz
θ波(シータ波)4~7Hz
α波(アルファ波)8~13Hz
β波(ベータ波)14~Hz

例えば、覚醒時に目を閉じて安静にするとα波が強く出ることが知られています。また基礎律動の異常はてんかん等の病変の可能性を示唆することも分かっています。

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