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技術解説

鉛蓄電池の充電方法: バルク充電・アブソーブ充電・フローティング充電の違い

2015年3月27日

鉛蓄電池の充電方法としてバルク充電・アブソーブ充電(吸収充電)・フローティング充電という言葉がよく聞かれますが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか?

今回は3ステートと呼ばれる3つの充電段階について解説します。

鉛蓄電池の充電の基本

鉛蓄電池を充電するには、いくつか守らなければならない電気的な制約があります。

まず、充電するための最大電圧が規定されています。メーカーやバッテリーの種類により異なりますが、多くの場合14.5V-15V付近になります。

次に、フロート電圧と呼ばれる電圧が規定されています。フロート電圧は、バッテリーの充電が終了した際に、満充電を維持するための電圧です。これはおおよそ13.5V~13.8V程度です。最大電圧によって満充電に達した後は、フロート電圧で満充電が維持されなければなりません。フロート電圧はスタンバイ電圧とも呼ばれることがあります。

次に、最大の充電電流が規定されています。これはバッテリー容量により数Aから数十Aまで大きく異なります。

最大効率を出すための3ステート充電方式

鉛蓄電池は、前述の制約の中であれば自由に充電方法を選択することができます。

もっともシンプルなのは、一定の小さな電流でフロート電圧を維持する、定電圧充電(CV)方式です。定電圧充電は非常に安価なバッテリー充電器に採用されることがあります。シンプルなのでたいへんコストが低いという特徴がありますが、充電に必要な時間が極めて長く、効率も悪くなります。また最大電圧ではなくフロート電圧のみを使用するため満充電に至らない場合があります。

最短の時間で最大の充電効率を出すためには、バッテリーの状態により、充電電圧と電流を制御する必要があります。これは定電流定電圧(CVCC)方式と呼ばれ、3つの充電段階を経ることから3ステート方式とも呼ばれます。

バルク充電

バルク充電は、充電器が出せる最大の充電電流を使って充電する段階です。この段階は定電流充電(CC)と等価です。バルク充電は、バッテリー電圧の最大の充電電圧である14.5~15Vに達するまで行われます。

バッテリーが空に近い場合は、バルク充電には時間がかかります。逆に、満充電に近い状態のバッテリーに充電を行うと、すぐに最大電圧に達してバルク充電は終了します。

バッテリーが最大電圧に達するとバルク充電は終了し、アブソーブ充電に移行します。

アブソーブ充電

アブソーブ充電の開始時点では、その前のバルク充電によってバッテリーは最大電圧に達しています。仮に充電電流を最大のままにしておけば、最大電圧を超えて過充電になります。そのためだんだんと電流を絞ります。ただし、急激に電流を絞ると、最大電圧を下回って充電効率が悪くなります。アブソーブ充電では、最大電圧を維持するために必要かつ十分な充電電流を保ちながら充電が行われます。これは定電圧(CV)方式による充電と等価です。

アブソーブ充電が終わる頃には、小さな充電電流でも最大電圧を維持できる状態になります。この時点でバッテリーは満充電になります。

満充電になると、最終的なフローティング充電の段階に移行します。

フローティング充電

フローティング充電は、自然放電を抑えるために常時補充電を行う段階です。

電圧はアブソーブ充電までの最大電圧(14.5V~15V)から、フロート電圧(13.5V~13.8V)に切り替えられます。そして、フロート電圧を維持するために必要な小さな電流による充電が継続的に行われます。

もし、バッテリーに負荷がかかった場合には、充電器はより多くの電流を流してフロート電圧を維持しようとします。そして負荷が大きくなり、一定以上の電流をかけないと満充電を維持できなくなると、再びバルク充電に移行します。

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