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技術解説

太陽光発電システムにおけるサルフェーションの原因と対策

2015年3月31日

独立型太陽光発電システム全体のうち、寿命が早く、かつ、必要なランニングコストが最も大きくなるのがバッテリーです。独立型太陽光発電システムでは常時バッテリーの充放電を繰り返すため、UPSなどの常時スタンバイにてバッテリーを使用するシステムと比較して、必然的にバッテリーの劣化が早くなります。

サルフェーションの本質は電極表面の不活性物質と内部抵抗の上昇

サルフェーションは、電池の劣化モデルの中でも特に、負極版に起きる硫酸塩(PbSO4)の結晶化現象を言います。鉛蓄電池の放電が起きると、化学反応の過程で負極版表面に硫酸塩が発生します。ここで、放電してからすぐに(数分のうちに)再び充電すれば硫酸塩は溶解しますが、長時間放電したままの状態で放置すると、硫酸塩の結晶が成長し、溶融しにくくなります。結晶部分は電気的には不活性となり、電池全体では内部抵抗値の上昇として観測されます。

サルフェーションの対策には深放電を避ける設計を

前述のとおり、サルフェーションは、深く放電した後に長時間放置することが直接の原因になります。そのためサルフェーションを避けるためには、深く放電せず、かつ、放電してからすぐに満充電になるように太陽光発電システムを設計することが重要になります。

特に、日中の負荷よりも夜間の負荷に対して注意が必要です。なぜならば、日中に消費したバッテリーのエネルギーはすぐに充電されるのに対して、夜間に消費したエネルギーは次に日光が照射されるまで充電されず、その間に結晶化が進みやすいためです。

放電してからの満充電までの時間をできるだけ短くするには、バッテリーに対してソーラーパネルの出力を上げてください。100Ahのバッテリーの半分を使ったとしましょう。使った50Ah分を満充電にするには、5Aの充電電流であれば10時間、10Aであれば半分の5時間で済みます。

過放電防止モジュールの使用も効果的

深い放電を防止するためにはIW8990のような過放電防止モジュールをバッテリーと負荷の間に取り付けることも効果的です。過放電防止モジュールは、バッテリーの電圧が一定以下になると、バッテリーと負荷の回路を切り離し、それ以上の放電を避けることができます。

例えば、梅雨の時期など、予想外に曇りの日が続くような場合には、夜間に放電したエネルギーを充電しきれずに深い放電をせざるをえない場合があります。このような場合でも、過放電防止モジュールを使用することで、一定レベル以上の放電を確実に防止することができます。結果として太陽光発電システム全体の寿命を延ばすことができます。

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